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2010/02/15 (Mon) 15:51

2010年バンクーバー冬季オリンピック代表

上村愛子 フリースタイル・モーグル

冬季オリンピック(五輪)代表選手エピソードです。
各局で放送された上村愛子の特集をまとめて勝手に物語にしてみました。
上村自身が語った事が中心なので97%が真実で、3%が作者の妄想です。
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  1. 上村愛子物語 モーグルとの出会い
  2. 上村愛子物語 苦悩のオリンピック
  3. 上村愛子物語 バンクーバーへ向けて
  4. 上村愛子物語 オリンピックとは?
  5. 上村愛子物語 雨と涙のバンクーバー

雨と涙のバンクーバー

バンクーバーは雨。

暖冬で雪の降らない日が続いていた。
雪は近くの山から運びコースを作っていた。


上村は、オリンピック前に母へ手紙を送っていた。
母にはバンクーバーに着いたら読むように伝えた。
その手紙には、
大会への決意と、これまで支えてくれた感謝が綴られていた。
これを読んだ母は泣いていた。

自分を支えてくれたたくさんの人が、自分のために費やしてくれた時間や気持。
チームの中でも申し訳ないぐらいに優先してもらえた。
その感謝の気持を、やはりメダルで返さないといけない。
そう上村は考えてた。


大会当日の朝
上村は、会場に入る。
スノーモービルに乗せてもらいスタート地点へ向かっていた。

上村の脳裏にこれまでの事が浮かぶ。
18歳で出場した長野オリンピックから12年間。
30歳になった今、モーグルと出合ったカナダでオリンピックを迎える事に運命を感じていた。

今ここにきて結果も出てきている。
最高の状態で挑める事に幸せを感じていた。

自然と瞳から涙があふれ出してきた。

 
予選は24.31点で5位。
無難な出だしとなった。
他の日本人選手も全員予選を通過している。

夜になっても雨はやまない。
霧も出てきてきた。
水分を多く含んだ雪。
コンディションは良くない。

決勝では、
上村の直前にスタートした、アメリカのシャノン・バークが驚異的なタイムを出しトップに躍り出た。
続く上村のスタート
日本中が釘付けになった。

第1エアは「360」
エア後のミドルセクションでやや後傾気味に、
第2エアは「バックフリップ」
しかし着地で僅かに左足が流れてしまった。
タイムはトップのシャノンから約1秒近く遅れた。
ゴールした瞬間の順位は2位。
スコアを見た上村の顔に一瞬、不満足げな表情が浮かぶ。

そして、続いてスタ-トした、カナダのクリスティ・リチャーズとアメリカのヘザー・マクフィーが相次いで転倒した。
トップのシャノンのスコアがプレッシャーとなっていた。
しかし、
予選2位のカナダのジェニファー・ハイルはシャノンのスコアを越えトップに。
上村は3位に後退した。
最終滑走、予選1位のアメリカ ハナ・カーニーが圧倒的にな滑りでトップスコアを出した。

メダルの可能性が消えた瞬間だった…


結果を見れば、上村が得意としていたターンとタイムで上位の3人に差をつけられていた。

上村の瞳から抑えきれない想いがあふれ出した。
すぐにそれは上村の頬を滝のように流れて出していた…


競技終了直後のインタビュー(全文そのまま)

メダルに届かなかった事に、
「何でこんなに一段一段なんだろう?って思いましたけど、
ま、でも、オリンピックで自分が全力を出すて事が第一の難関ていうか、
すごく難しいところだったので、それがクリアできて、
皆さんにいい滑りが出来たって事はしっかり見てもらえたと思うんで
よかったと思います」

プレッシャーと高い続けた4年間を振り返って、
「昨シーズンとその前のシーズンで、自分を長く応援してくれた人に
恩返しできる成績を残していたので、皆さんにもホントウに、
やっぱりメダルを見せれる事が次のありがとうかなと思っていたんですけど、
今回の試合は自分のために頑張って!て言う人がすごく多くて、
私らしくとにかく滑ってくれってメッセージばかりだったので、
ホントウにそれができた事がすごく嬉しいです」

競技終了後にたくさんの人がねぎらってくれた事に、
「私がたぶんこうゆふうに泣いたりするのがあまり無いので、
みんな、大丈夫だよ!大丈夫だよ!と言ってくれて、
あと、私のコーチ達ですけど、全力を出し切った事を褒めてくれたし、
カービングターンをとにかく追及してやってきた事を誇りに思う
て言ってくれたので、それがうれしかったです」

母は娘に
「本当に良く頑張ったね、今日の試合事もそうですけど、
 今までの事すべて頑張ったねって言ってあげたい」
「愛子は、お母さんに子供でよかった。と言ってくれるけど、
 わたしは愛子の母親でよかった」  と言葉を贈った。


上村の涙の理由は、
自分を支えてくれたたくさんの人への感謝と、
その感謝をメダルという形に出来なかった事への悔しさと申し訳なさだった。
後続の結果を待つ間、メダルの可能性が無くなっていくときに、
「初めて銅メダルでもいいからそこに留まりたい」と思っていた。


試合が終わった後には、携帯電話にたくさんのメールが届いていた。
そのメールには「残念だったね」「おしかったね」て言葉は一つも無かった。
自分が思っている以上に、みんながこのバンクーバーまでを感動して見てくれていた事を感じていた。


「今は、まだ次は考えられない状態。」
「ゆっくりと考えないと分からない。」
という…

さらに次のオリンピックでもメダルへ挑戦するのか、
妻として母としての人生を歩むのか、
そして、これから生まれるであろう子供へメダルの夢を託すのか、

まだまだ、上村愛子物語は続く…

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NHK総合で放送された
オリンピック番組が、
放送後30日間見れるそうです。
 

  1. 上村愛子物語 モーグルとの出会い
  2. 上村愛子物語 苦悩のオリンピック
  3. 上村愛子物語 バンクーバーへ向けて
  4. 上村愛子物語 オリンピックとは?
  5. 上村愛子物語 雨と涙のバンクーバー

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